万葉集|第8巻の和歌一覧

万葉集の第8巻を一覧にまとめました。

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万葉集の第8巻一覧

1418 石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも
1419 神なびの石瀬の社の呼子鳥いたくな鳴きそ我が恋まさる
1420 沫雪かはだれに降ると見るまでに流らへ散るは何の花ぞも
1421 春山の咲きのををりに春菜摘む妹が白紐見らくしよしも
1422 うち靡く春来るらし山の際の遠き木末の咲きゆく見れば
1423 去年の春いこじて植ゑし我がやどの若木の梅は花咲きにけり
1424 春の野にすみれ摘みにと来し我れぞ野をなつかしみ一夜寝にける
1425 あしひきの山桜花日並べてかく咲きたらばいたく恋ひめやも
1426 我が背子に見せむと思ひし梅の花それとも見えず雪の降れれば
1427 明日よりは春菜摘まむと標めし野に昨日も今日も雪は降りつつ
1428 おしてる難波を過ぎてうち靡く草香の山を夕暮れに我が越え来れば山も狭に咲ける馬酔木の悪しからぬ君をいつしか行きて早見む
1429 娘子らがかざしのために風流士のかづらのためと敷きませる国のはたてに咲きにける桜の花のにほひはもあなに
1430 去年の春逢へりし君に恋ひにてし桜の花は迎へけらしも
1431 百済野の萩の古枝に春待つと居りし鴬鳴きにけむかも
1432 我が背子が見らむ佐保道の青柳を手折りてだにも見むよしもがも
1433 うち上る佐保の川原の青柳は今は春へとなりにけるかも
1434 霜雪もいまだ過ぎねば思はぬに春日の里に梅の花見つ
1435 かはづ鳴く神奈備川に影見えて今か咲くらむ山吹の花
1436 含めりと言ひし梅が枝今朝降りし沫雪にあひて咲きぬらむかも
1437 霞立つ春日の里の梅の花山のあらしに散りこすなゆめ
1438 霞立つ春日の里の梅の花花に問はむと我が思はなくに
1439 時は今は春になりぬとみ雪降る遠山の辺に霞たなびく
1440 春雨のしくしく降るに高円の山の桜はいかにかあるらむ
1441 うち霧らひ雪は降りつつしかすがに我家の苑に鴬鳴くも
1442 難波辺に人の行ければ後れ居て春菜摘む子を見るが悲しさ
1443 霞立つ野の上の方に行きしかば鴬鳴きつ春になるらし
1444 山吹の咲きたる野辺のつほすみれこの春の雨に盛りなりけり
1445 風交り雪は降るとも実にならぬ我家の梅を花に散らすな
1446 春の野にあさる雉の妻恋ひにおのがあたりを人に知れつつ
1447 世の常に聞けば苦しき呼子鳥声なつかしき時にはなりぬ
1448 我がやどに蒔きしなでしこいつしかも花に咲きなむなそへつつ見む
1449 茅花抜く浅茅が原のつほすみれ今盛りなり我が恋ふらくは
1450 心ぐきものにぞありける春霞たなびく時に恋の繁きは
1451 水鳥の鴨の羽色の春山のおほつかなくも思ほゆるかも
1452 闇ならばうべも来まさじ梅の花咲ける月夜に出でまさじとや
1453 玉たすき懸けぬ時なく息の緒に我が思ふ君はうつせみの世の人なれば大君の命畏み夕されば鶴が妻呼ぶ難波潟御津の崎より大船に真楫しじ貫き白波の高き荒海を島伝ひい別れ行かば留まれる我れは幣引き斎ひつつ君をば待たむ早帰りませ
1454 波の上ゆ見ゆる小島の雲隠りあな息づかし相別れなば
1455 たまきはる命に向ひ恋ひむゆは君が御船の楫柄にもが
1456 この花の一節のうちに百種の言ぞ隠れるおほろかにすな
1457 この花の一節のうちは百種の言待ちかねて折らえけらずや
1458 やどにある桜の花は今もかも松風早み地に散るらむ
1459 世間も常にしあらねばやどにある桜の花の散れるころかも
1460 戯奴變云わけがため我が手もすまに春の野に抜ける茅花ぞ食して肥えませ
1461 昼は咲き夜は恋ひ寝る合歓木の花君のみ見めや戯奴さへに見よ
1462 我が君に戯奴は恋ふらし賜りたる茅花を食めどいや痩せに痩す
1463 我妹子が形見の合歓木は花のみに咲きてけだしく実にならじかも
1464 春霞たなびく山のへなれれば妹に逢はずて月ぞ経にける
1465 霍公鳥いたくな鳴きそ汝が声を五月の玉にあへ貫くまでに
1466 神奈備の石瀬の社の霍公鳥毛無の岡にいつか来鳴かむ
1467 霍公鳥なかる国にも行きてしかその鳴く声を聞けば苦しも
1468 霍公鳥声聞く小野の秋風に萩咲きぬれや声の乏しき
1469 あしひきの山霍公鳥汝が鳴けば家なる妹し常に偲はゆ
1470 もののふの石瀬の社の霍公鳥今も鳴かぬか山の常蔭に
1471 恋しけば形見にせむと我がやどに植ゑし藤波今咲きにけり
1472 霍公鳥来鳴き響もす卯の花の伴にや来しと問はましものを
1473 橘の花散る里の霍公鳥片恋しつつ鳴く日しぞ多き
1474 今もかも大城の山に霍公鳥鳴き響むらむ我れなけれども
1475 何しかもここだく恋ふる霍公鳥鳴く声聞けば恋こそまされ
1476 ひとり居て物思ふ宵に霍公鳥こゆ鳴き渡る心しあるらし
1477 卯の花もいまだ咲かねば霍公鳥佐保の山辺に来鳴き響もす
1478 我が宿の花橘のいつしかも玉に貫くべくその実なりなむ
1479 隠りのみ居ればいぶせみ慰むと出で立ち聞けば来鳴くひぐらし
1480 我が宿に月おし照れり霍公鳥心あれ今夜来鳴き響もせ
1481 我が宿の花橘に霍公鳥今こそ鳴かめ友に逢へる時
1482 皆人の待ちし卯の花散りぬとも鳴く霍公鳥我れ忘れめや
1483 我が背子が宿の橘花をよみ鳴く霍公鳥見にぞ我が来し
1484 霍公鳥いたくな鳴きそひとり居て寐の寝らえぬに聞けば苦しも
1485 夏まけて咲きたるはねずひさかたの雨うち降らば移ろひなむか
1486 我が宿の花橘を霍公鳥来鳴かず地に散らしてむとか
1487 霍公鳥思はずありき木の暗のかくなるまでに何か来鳴かぬ
1488 いづくには鳴きもしにけむ霍公鳥我家の里に今日のみぞ鳴く
1489 我が宿の花橘は散り過ぎて玉に貫くべく実になりにけり
1490 霍公鳥待てど来鳴かず菖蒲草玉に貫く日をいまだ遠みか
1491 卯の花の過ぎば惜しみか霍公鳥雨間も置かずこゆ鳴き渡る
1492 君が家の花橘はなりにけり花のある時に逢はましものを
1493 我が宿の花橘を霍公鳥来鳴き響めて本に散らしつ
1494 夏山の木末の茂に霍公鳥鳴き響むなる声の遥けさ
1495 あしひきの木の間立ち潜く霍公鳥かく聞きそめて後恋ひむかも
1496 我が宿のなでしこの花盛りなり手折りて一目見せむ子もがも
1497 筑波嶺に我が行けりせば霍公鳥山彦響め鳴かましやそれ
1498 暇なみ来まさぬ君に霍公鳥我れかく恋ふと行きて告げこそ
1499 言繁み君は来まさず霍公鳥汝れだに来鳴け朝戸開かむ
1500 夏の野の茂みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものぞ
1501 霍公鳥鳴く峰の上の卯の花の憂きことあれや君が来まさぬ
1502 五月の花橘を君がため玉にこそ貫け散らまく惜しみ
1503 我妹子が家の垣内のさ百合花ゆりと言へるはいなと言ふに似る
1504 暇なみ五月をすらに我妹子が花橘を見ずか過ぎなむ
1505 霍公鳥鳴きしすなはち君が家に行けと追ひしは至りけむかも
1506 故郷の奈良思の岡の霍公鳥言告げ遣りしいかに告げきや
1507 いかといかとある我が宿に百枝さし生ふる橘玉に貫く五月を近みあえぬがに花咲きにけり朝に日に出で見るごとに息の緒に我が思ふ妹にまそ鏡清き月夜にただ一目見するまでには散りこすなゆめと言ひつつここだくも我が守るものをうれたきや醜霍公鳥暁のうら悲しきに追へど追へどなほし来鳴きていたづらに地に散らせばすべをなみ攀ぢて手折りつ見ませ我妹子
1508 望ぐたち清き月夜に我妹子に見せむと思ひしやどの橘
1509 妹が見て後も鳴かなむ霍公鳥花橘を地に散らしつ
1510 なでしこは咲きて散りぬと人は言へど我が標めし野の花にあらめやも
1511 夕されば小倉の山に鳴く鹿は今夜は鳴かず寐ねにけらしも
1512 経もなく緯も定めず娘子らが織る黄葉に霜な降りそね
1513 今朝の朝明雁が音聞きつ春日山もみちにけらし我が心痛し
1514 秋萩は咲くべくあらし我がやどの浅茅が花の散りゆく見れば
1515 言繁き里に住まずは今朝鳴きし雁にたぐひて行かましものを一云国にあらずは
1516 秋山にもみつ木の葉のうつりなばさらにや秋を見まく欲りせむ
1517 味酒三輪のはふりの山照らす秋の黄葉の散らまく惜しも
1518 天の川相向き立ちて我が恋ひし君来ますなり紐解き設けな一云川に向ひて
1519 久方の天の川瀬に舟浮けて今夜か君が我がり来まさむ
1520 彦星は織女と天地の別れし時ゆいなうしろ川に向き立ち思ふそら安けなくに嘆くそら安けなくに青波に望みは絶えぬ白雲に涙は尽きぬかくのみや息づき居らむかくのみや恋ひつつあらむさ丹塗りの小舟もがも玉巻きの真櫂もがも一云小棹もがも朝なぎにい掻き渡り夕潮に一云夕にもい漕ぎ渡り久方の天の川原に天飛ぶや領巾片敷き真玉手の玉手さし交へあまた夜も寐ねてしかも一云寐もさ寝てしか秋にあらずとも一云秋待たずとも
1521 風雲は二つの岸に通へども我が遠妻の一云愛し妻の言ぞ通はぬ
1522 たぶてにも投げ越しつべき天の川隔てればかもあまたすべなき
1523 秋風の吹きにし日よりいつしかと我が待ち恋ひし君ぞ来ませる
1524 天の川いと川波は立たねどもさもらひかたし近きこの瀬を
1525 袖振らば見も交しつべく近けども渡るすべなし秋にしあらねば
1526 玉かぎるほのかに見えて別れなばもとなや恋ひむ逢ふ時までは
1527 彦星の妻迎へ舟漕ぎ出らし天の川原に霧の立てるは
1528 霞立つ天の川原に君待つとい行き帰るに裳の裾濡れぬ
1529 天の川浮津の波音騒くなり我が待つ君し舟出すらしも
1530 をみなへし秋萩交る蘆城の野今日を始めて万世に見む
1531 玉櫛笥蘆城の川を今日見ては万代までに忘らえめやも
1532 草枕旅行く人も行き触ればにほひぬべくも咲ける萩かも
1533 伊香山野辺に咲きたる萩見れば君が家なる尾花し思ほゆ
1534 をみなへし秋萩折れれ玉桙の道行きづとと乞はむ子がため
1535 我が背子をいつぞ今かと待つなへに面やは見えむ秋の風吹く
1536 宵に逢ひて朝面なみ名張野の萩は散りにき黄葉早継げ
1537 秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花其一
1538 萩の花尾花葛花なでしこの花をみなへしまた藤袴朝顔の花其二
1539 秋の田の穂田を雁がね暗けくに夜のほどろにも鳴き渡るかも
1540 今朝の朝明雁が音寒く聞きしなへ野辺の浅茅ぞ色づきにける
1541 我が岡にさを鹿来鳴く初萩の花妻どひに来鳴くさを鹿
1542 我が岡の秋萩の花風をいたみ散るべくなりぬ見む人もがも
1543 秋の露は移しにありけり水鳥の青葉の山の色づく見れば
1544 彦星の思ひますらむ心より見る我れ苦し夜の更けゆけば
1545 織女の袖継ぐ宵の暁は川瀬の鶴は鳴かずともよし
1546 妹がりと我が行く道の川しあればつくめ結ぶと夜ぞ更けにける
1547 さを鹿の萩に貫き置ける露の白玉あふさわに誰れの人かも手に巻かむちふ
1548 咲く花もをそろはいとはしおくてなる長き心になほしかずけり
1549 射目立てて跡見の岡辺のなでしこの花ふさ手折り我れは持ちて行く奈良人のため
1550 秋萩の散りの乱ひに呼びたてて鳴くなる鹿の声の遥けさ
1551 時待ちて降れるしぐれの雨やみぬ明けむ朝か山のもみたむ
1552 夕月夜心もしのに白露の置くこの庭にこほろぎ鳴くも
1553 時雨の雨間なくし降れば御笠山木末あまねく色づきにけり
1554 大君の御笠の山の黄葉は今日の時雨に散りか過ぎなむ
1555 秋立ちて幾日もあらねばこの寝ぬる朝明の風は手本寒しも
1556 秋田刈る仮廬もいまだ壊たねば雁が音寒し霜も置きぬがに
1557 明日香川行き廻る岡の秋萩は今日降る雨に散りか過ぎなむ
1558 鶉鳴く古りにし里の秋萩を思ふ人どち相見つるかも
1559 秋萩は盛り過ぐるをいたづらにかざしに挿さず帰りなむとや
1560 妹が目を始見の崎の秋萩はこの月ごろは散りこすなゆめ
1561 吉隠の猪養の山に伏す鹿の妻呼ぶ声を聞くが羨しさ
1562 誰れ聞きつこゆ鳴き渡る雁がねの妻呼ぶ声の羨しくもあるか
1563 聞きつやと妹が問はせる雁が音はまことも遠く雲隠るなり
1564 秋づけば尾花が上に置く露の消ぬべくも我は思ほゆるかも
1565 我が宿の一群萩を思ふ子に見せずほとほと散らしつるかも
1566 久方の雨間も置かず雲隠り鳴きぞ行くなる早稲田雁がね
1567 雲隠り鳴くなる雁の行きて居む秋田の穂立繁くし思ほゆ
1568 雨隠り心いぶせみ出で見れば春日の山は色づきにけり
1569 雨晴れて清く照りたるこの月夜またさらにして雲なたなびき
1570 ここにありて春日やいづち雨障み出でて行かねば恋ひつつぞ居る
1571 春日野に時雨降る見ゆ明日よりは黄葉かざさむ高円の山
1572 我が宿の尾花が上の白露を消たずて玉に貫くものにもが
1573 秋の雨に濡れつつ居ればいやしけど我妹が宿し思ほゆるかも
1574 雲の上に鳴くなる雁の遠けども君に逢はむとた廻り来つ
1575 雲の上に鳴きつる雁の寒きなへ萩の下葉はもみちぬるかも
1576 この岡に小鹿踏み起しうかねらひかもかもすらく君故にこそ
1577 秋の野の尾花が末を押しなべて来しくもしるく逢へる君かも
1578 今朝鳴きて行きし雁が音寒みかもこの野の浅茅色づきにける
1579 朝戸開けて物思ふ時に白露の置ける秋萩見えつつもとな
1580 さを鹿の来立ち鳴く野の秋萩は露霜負ひて散りにしものを
1581 手折らずて散りなば惜しと我が思ひし秋の黄葉をかざしつるかも
1582 めづらしき人に見せむと黄葉を手折りぞ我が来し雨の降らくに
1583 黄葉を散らす時雨に濡れて来て君が黄葉をかざしつるかも
1584 めづらしと我が思ふ君は秋山の初黄葉に似てこそありけれ
1585 奈良山の嶺の黄葉取れば散る時雨の雨し間なく降るらし
1586 黄葉を散らまく惜しみ手折り来て今夜かざしつ何か思はむ
1587 あしひきの山の黄葉今夜もか浮かび行くらむ山川の瀬に
1588 奈良山をにほはす黄葉手折り来て今夜かざしつ散らば散るとも
1589 露霜にあへる黄葉を手折り来て妹とかざしつ後は散るとも
1590 十月時雨にあへる黄葉の吹かば散りなむ風のまにまに
1591 黄葉の過ぎまく惜しみ思ふどち遊ぶ今夜は明けずもあらぬか
1592 しかとあらぬ五百代小田を刈り乱り田廬に居れば都し思ほゆ
1593 隠口の泊瀬の山は色づきぬ時雨の雨は降りにけらしも
1594 時雨の雨間なくな降りそ紅ににほへる山の散らまく惜しも
1595 秋萩の枝もとををに置く露の消なば消ぬとも色に出でめやも
1596 妹が家の門田を見むとうち出で来し心もしるく照る月夜かも
1597 秋の野に咲ける秋萩秋風に靡ける上に秋の露置けり
1598 さを鹿の朝立つ野辺の秋萩に玉と見るまで置ける白露
1599 さを鹿の胸別けにかも秋萩の散り過ぎにける盛りかも去ぬる
1600 妻恋ひに鹿鳴く山辺の秋萩は露霜寒み盛り過ぎゆく
1601 めづらしき君が家なる花すすき穂に出づる秋の過ぐらく惜しも
1602 山彦の相響むまで妻恋ひに鹿鳴く山辺に独りのみして
1603 このころの朝明に聞けばあしひきの山呼び響めさを鹿鳴くも
1604 秋されば春日の山の黄葉見る奈良の都の荒るらく惜しも
1605 高円の野辺の秋萩このころの暁露に咲きにけむかも
1606 君待つと我が恋ひをれば我が宿の簾動かし秋の風吹く
1607 風をだに恋ふるは羨し風をだに来むとし待たば何か嘆かむ
1608 秋萩の上に置きたる白露の消かもしなまし恋ひつつあらずは
1609 宇陀の野の秋萩しのぎ鳴く鹿も妻に恋ふらく我れにはまさじ
1610 高円の秋野の上のなでしこの花うら若み人のかざししなでしこの花
1611 あしひきの山下響め鳴く鹿の言ともしかも我が心夫
1612 神さぶといなにはあらず秋草の結びし紐を解くは悲しも
1613 秋の野を朝行く鹿の跡もなく思ひし君に逢へる今夜か
1614 九月のその初雁の使にも思ふ心は聞こえ来ぬかも
1615 大の浦のその長浜に寄する波ゆたけく君を思ふこのころ大浦者遠江國之海濱名也
1616 朝ごとに我が見る宿のなでしこの花にも君はありこせぬかも
1617 秋萩に置きたる露の風吹きて落つる涙は留めかねつも
1618 玉に貫き消たず賜らむ秋萩の末わくらばに置ける白露
1619 玉桙の道は遠けどはしきやし妹を相見に出でてぞ我が来し
1620 あらたまの月立つまでに来まさねば夢にし見つつ思ひぞ我がせし
1621 我が宿の萩花咲けり見に来ませいま二日だみあらば散りなむ
1622 我が宿の秋の萩咲く夕影に今も見てしか妹が姿を
1623 我が宿にもみつ蝦手見るごとに妹を懸けつつ恋ひぬ日はなし
1624 我が蒔ける早稲田の穂立作りたるかづらぞ見つつ偲はせ我が背
1625 我妹子が業と作れる秋の田の早稲穂のかづら見れど飽かぬかも
1626 秋風の寒きこのころ下に着む妹が形見とかつも偲はむ
1627 我が宿の時じき藤のめづらしく今も見てしか妹が笑まひを
1628 我が宿の萩の下葉は秋風もいまだ吹かねばかくぞもみてる
1629 ねもころに物を思へば言はむすべ為むすべもなし妹と我れと手携さはりて朝には庭に出で立ち夕には床うち掃ひ白栲の袖さし交へてさ寝し夜や常にありけるあしひきの山鳥こそば峰向ひに妻問ひすといへうつせみの人なる我れや何すとか一日一夜も離り居て嘆き恋ふらむここ思へば胸こそ痛きそこ故に心なぐやと高円の山にも野にもうち行きて遊び歩けど花のみにほひてあれば見るごとにまして偲はゆいかにして忘れむものぞ恋といふものを
1630 高円の野辺のかほ花面影に見えつつ妹は忘れかねつも
1631 今造る久迩の都に秋の夜の長きにひとり寝るが苦しさ
1632 あしひきの山辺に居りて秋風の日に異に吹けば妹をしぞ思ふ
1633 手もすまに植ゑし萩にやかへりては見れども飽かず心尽さむ
1634 衣手に水渋付くまで植ゑし田を引板我が延へまもれる苦し
1635 佐保川の水を堰き上げて植ゑし田を尼作刈れる初飯はひとりなるべし家持續
1636 大口の真神の原に降る雪はいたくな降りそ家もあらなくに
1637 はだすすき尾花逆葺き黒木もち造れる室は万代までに
1638 あをによし奈良の山なる黒木もち造れる室は座せど飽かぬかも
1639 沫雪のほどろほどろに降りしけば奈良の都し思ほゆるかも
1640 我が岡に盛りに咲ける梅の花残れる雪をまがへつるかも
1641 沫雪に降らえて咲ける梅の花君がり遣らばよそへてむかも
1642 たな霧らひ雪も降らぬか梅の花咲かぬが代にそへてだに見む
1643 天霧らし雪も降らぬかいちしろくこのいつ柴に降らまくを見む
1644 引き攀ぢて折らば散るべみ梅の花袖に扱入れつ染まば染むとも
1645 我が宿の冬木の上に降る雪を梅の花かとうち見つるかも
1646 ぬばたまの今夜の雪にいざ濡れな明けむ朝に消なば惜しけむ
1647 梅の花枝にか散ると見るまでに風に乱れて雪ぞ降り来る
1648 十二月には沫雪降ると知らねかも梅の花咲くふふめらずして
1649 今日降りし雪に競ひて我が宿の冬木の梅は花咲きにけり
1650 池の辺の松の末葉に降る雪は五百重降りしけ明日さへも見む
1651 沫雪のこのころ継ぎてかく降らば梅の初花散りか過ぎなむ
1652 梅の花折りも折らずも見つれども今夜の花になほしかずけり
1653 今のごと心を常に思へらばまづ咲く花の地に落ちめやも
1654 松蔭の浅茅の上の白雪を消たずて置かむことはかもなき
1655 高山の菅の葉しのぎ降る雪の消ぬと言ふべくも恋の繁けく
1656 酒杯に梅の花浮かべ思ふどち飲みての後は散りぬともよし
1657 官にも許したまへり今夜のみ飲まむ酒かも散りこすなゆめ
1658 我が背子とふたり見ませばいくばくかこの降る雪の嬉しくあらまし
1659 真木の上に降り置ける雪のしくしくも思ほゆるかもさ夜問へ我が背
1660 梅の花散らすあらしの音のみに聞きし我妹を見らくしよしも
1661 久方の月夜を清み梅の花心開けて我が思へる君
1662 沫雪の消ぬべきものを今までに流らへぬるは妹に逢はむとぞ
1663 沫雪の庭に降り敷き寒き夜を手枕まかずひとりかも寝む
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万葉集|第8巻の和歌一覧

万葉集1658番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1658番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1658番について歌番号1658番原文吾背兒与|二有見麻世波|幾許香|此零雪之|懽有麻思訓読我が背子とふたり見ませばいくばくかこの降る雪の嬉しくあらまし かな...
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万葉集1643番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1643番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1643番について歌番号1643番原文天霧之|雪毛零奴可|灼然|此五柴尓|零巻乎将見訓読天霧らし雪も降らぬかいちしろくこのいつ柴に降らまくを見む かな読みあま...
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万葉集1659番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1659番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1659番について歌番号1659番原文真木乃於尓|零置有雪乃|敷布毛|所念可聞|佐夜問吾背訓読真木の上に降り置ける雪のしくしくも思ほゆるかもさ夜問へ我が背 か...
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万葉集1644番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1644番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1644番について歌番号1644番原文引攀而|折者可落|梅花|袖尓古寸入津|染者雖染訓読引き攀ぢて折らば散るべみ梅の花袖に扱入れつ染まば染むとも かな読みひき...
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万葉集1660番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1660番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1660番について歌番号1660番原文梅花|令落冬風|音耳|聞之吾妹乎|見良久志吉裳訓読梅の花散らすあらしの音のみに聞きし我妹を見らくしよしも かな読みうめの...
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万葉集1629番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1629番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1629番について歌番号1629番原文叩々|物乎念者|将言為便|将為々便毛奈之|妹与吾|手携而|旦者|庭尓出立|夕者|床打拂|白細乃|袖指代而|佐寐之夜也|常...
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万葉集1645番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1645番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1645番について歌番号1645番原文吾屋前之|冬木乃上尓|零雪乎|梅花香常|打見都流香裳訓読我が宿の冬木の上に降る雪を梅の花かとうち見つるかも かな読みわが...
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万葉集1630番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1630番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1630番について歌番号1630番原文高圓之|野邊乃容花|面影尓|所見乍妹者|忘不勝裳訓読高円の野辺のかほ花面影に見えつつ妹は忘れかねつも かな読みたかまとの...
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万葉集1646番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1646番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1646番について歌番号1646番原文夜干玉乃|今夜之雪尓|率所沾名|将開朝尓|消者惜家牟訓読ぬばたまの今夜の雪にいざ濡れな明けむ朝に消なば惜しけむ かな読み...
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万葉集1631番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1631番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1631番について歌番号1631番原文今造|久邇能京尓|秋夜乃|長尓獨|宿之苦左訓読今造る久迩の都に秋の夜の長きにひとり寝るが苦しさ かな読みいまつくる|くに...
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万葉集1647番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1647番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1647番について歌番号1647番原文梅花|枝尓可散登|見左右二|風尓乱而|雪曽落久類訓読梅の花枝にか散ると見るまでに風に乱れて雪ぞ降り来る かな読みうめのは...
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万葉集1632番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1632番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1632番について歌番号1632番原文足日木乃|山邊尓居而|秋風之|日異吹者|妹乎之曽念訓読あしひきの山辺に居りて秋風の日に異に吹けば妹をしぞ思ふ かな読みあ...
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万葉集1648番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1648番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1648番について歌番号1648番原文十二月尓者|沫雪零跡|不知可毛|梅花開|含不有而訓読十二月には沫雪降ると知らねかも梅の花咲くふふめらずして かな読みしは...
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万葉集1633番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1633番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1633番について歌番号1633番原文手母須麻尓|殖之芽子尓也|還者|雖見不飽|情将盡訓読手もすまに植ゑし萩にやかへりては見れども飽かず心尽さむ かな読みても...
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万葉集1649番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1649番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1649番について歌番号1649番原文今日零之|雪尓競而|我屋前之|冬木梅者|花開二家里訓読今日降りし雪に競ひて我が宿の冬木の梅は花咲きにけり かな読みけふふ...
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万葉集1634番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1634番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1634番について歌番号1634番原文衣手尓|水澁付左右|殖之田乎|引板吾波倍|真守有栗子訓読衣手に水渋付くまで植ゑし田を引板我が延へまもれる苦し かな読みこ...
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万葉集1650番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1650番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1650番について歌番号1650番原文池邊乃|松之末葉尓|零雪者|五百重零敷|明日左倍母将見訓読池の辺の松の末葉に降る雪は五百重降りしけ明日さへも見む かな読...
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万葉集1635番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1635番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1635番について歌番号1635番原文佐保河之|水乎塞上而|殖之田乎||苅流早飯者|獨奈流倍思|訓読佐保川の水を堰き上げて植ゑし田を||刈れる初飯はひとりなる...
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万葉集1651番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1651番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1651番について歌番号1651番原文沫雪乃|比日續而|如此落者|梅始花|散香過南訓読沫雪のこのころ継ぎてかく降らば梅の初花散りか過ぎなむ かな読みあわゆきの...
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万葉集1636番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1636番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1636番について歌番号1636番原文大口能|真神之原尓|零雪者|甚莫零|家母不有國訓読大口の真神の原に降る雪はいたくな降りそ家もあらなくに かな読みおほくち...
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万葉集1652番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1652番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1652番について歌番号1652番原文梅花|折毛不折毛|見都礼杼母|今夜能花尓|尚不如家利訓読梅の花折りも折らずも見つれども今夜の花になほしかずけり かな読み...
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万葉集1637番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1637番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1637番について歌番号1637番原文波太須珠寸|尾花逆葺|黒木用|造有室者|迄萬代訓読はだすすき尾花逆葺き黒木もち造れる室は万代までに かな読みはだすすき|...
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万葉集1653番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1653番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1653番について歌番号1653番原文如今|心乎常尓|念有者|先咲花乃|地尓将落八方訓読今のごと心を常に思へらばまづ咲く花の地に落ちめやも かな読みいまのごと...
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万葉集1638番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1638番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1638番について歌番号1638番原文青丹吉|奈良乃山有|黒木用|造有室者|雖居座不飽可聞訓読あをによし奈良の山なる黒木もち造れる室は座せど飽かぬかも かな読...
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万葉集1654番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1654番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1654番について歌番号1654番原文松影乃|淺茅之上乃|白雪乎|不令消将置|言者可聞奈吉訓読松蔭の浅茅の上の白雪を消たずて置かむことはかもなき かな読みまつ...
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万葉集1639番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1639番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1639番について歌番号1639番原文沫雪|保杼呂保杼呂尓|零敷者|平城京師|所念可聞訓読沫雪のほどろほどろに降りしけば奈良の都し思ほゆるかも かな読みあわゆ...
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万葉集1655番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1655番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1655番について歌番号1655番原文高山之|菅葉之努藝|零雪之|消跡可曰毛|戀乃繁鶏鳩訓読高山の菅の葉しのぎ降る雪の消ぬと言ふべくも恋の繁けく かな読みたか...
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万葉集1640番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1640番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1640番について歌番号1640番原文吾岳尓|盛開有|梅花|遺有雪乎|乱鶴鴨訓読我が岡に盛りに咲ける梅の花残れる雪をまがへつるかも かな読みわがをかに|さかり...
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万葉集1656番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1656番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1656番について歌番号1656番原文酒杯尓|梅花浮|念共|飲而後者|落去登母与之訓読酒杯に梅の花浮かべ思ふどち飲みての後は散りぬともよし かな読みさかづきに...
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万葉集1609番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1609番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1609番について歌番号1609番原文宇陀乃野之|秋芽子師弩藝|鳴鹿毛|妻尓戀樂苦|我者不益訓読宇陀の野の秋萩しのぎ鳴く鹿も妻に恋ふらく我れにはまさじ かな読...
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万葉集1625番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1625番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1625番について歌番号1625番原文吾妹兒之|業跡造有|秋田|早穂乃蘰|雖見不飽可聞訓読我妹子が業と作れる秋の田の早稲穂のかづら見れど飽かぬかも かな読みわ...
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万葉集1610番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1610番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1610番について歌番号1610番原文高圓之|秋野上乃|瞿麦之花|丁香見|人之挿頭師|瞿麦之花訓読高円の秋野の上のなでしこの花うら若み人のかざししなでしこの花...
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万葉集1626番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1626番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1626番について歌番号1626番原文秋風之|寒比日|下尓将服|妹之形見跡|可都毛思努播武訓読秋風の寒きこのころ下に着む妹が形見とかつも偲はむ かな読みあきか...
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万葉集1611番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1611番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1611番について歌番号1611番原文足日木乃|山下響|鳴鹿之|事乏可母|吾情都末訓読あしひきの山下響め鳴く鹿の言ともしかも我が心夫 かな読みあしひきの|やま...
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万葉集1627番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1627番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1627番について歌番号1627番原文吾屋前之|非時藤之|目頬布|今毛見鹿|妹之咲容乎訓読我が宿の時じき藤のめづらしく今も見てしか妹が笑まひを かな読みわがや...
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万葉集1612番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1612番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1612番について歌番号1612番原文神佐夫等|不許者不有|秋草乃|結之紐乎|解者悲哭訓読神さぶといなにはあらず秋草の結びし紐を解くは悲しも かな読みかむさぶ...
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万葉集1628番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1628番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1628番について歌番号1628番原文吾屋前之|芽子乃下葉者|秋風毛|未吹者|如此曽毛美照訓読我が宿の萩の下葉は秋風もいまだ吹かねばかくぞもみてる かな読みわ...
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万葉集1613番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1613番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1613番について歌番号1613番原文秋野乎|旦徃鹿乃|跡毛奈久|念之君尓|相有今夜香訓読秋の野を朝行く鹿の跡もなく思ひし君に逢へる今夜か かな読みあきののを...
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万葉集1614番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1614番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1614番について歌番号1614番原文九月之|其始鴈乃|使尓毛|念心者|聞来奴鴨訓読九月のその初雁の使にも思ふ心は聞こえ来ぬかも かな読みながつきの|そのはつ...
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万葉集1615番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1615番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1615番について歌番号1615番原文大乃浦之|其長濱尓|縁流浪|寛公乎|念日|訓読大の浦のその長浜に寄する波ゆたけく君を思ふこのころ| かな読みおほのうらの...
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万葉集1600番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1600番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1600番について歌番号1600番原文妻戀尓|鹿鳴山邊之|秋芽子者|露霜寒|盛須疑由君訓読妻恋ひに鹿鳴く山辺の秋萩は露霜寒み盛り過ぎゆく かな読みつまごひに|...
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万葉集1616番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1616番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1616番について歌番号1616番原文毎朝|吾見屋戸乃|瞿麦之|花尓毛君波|有許世奴香裳訓読朝ごとに我が見る宿のなでしこの花にも君はありこせぬかも かな読みあ...
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万葉集1601番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1601番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1601番について歌番号1601番原文目頬布|君之家有|波奈須為寸|穂出秋乃|過良久惜母訓読めづらしき君が家なる花すすき穂に出づる秋の過ぐらく惜しも かな読み...
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万葉集1617番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1617番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1617番について歌番号1617番原文秋芽子尓|置有露乃|風吹而|落涙者|留不勝都毛訓読秋萩に置きたる露の風吹きて落つる涙は留めかねつも かな読みあきはぎに|...