万葉集|第9巻の和歌一覧

万葉集の第9巻を一覧にまとめました。

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万葉集の第9巻一覧

1664 夕されば小倉の山に伏す鹿の今夜は鳴かず寐ねにけらしも
1665 妹がため我れ玉拾ふ沖辺なる玉寄せ持ち来沖つ白波
1666 朝霧に濡れにし衣干さずしてひとりか君が山道越ゆらむ
1667 妹がため我れ玉求む沖辺なる白玉寄せ来沖つ白波
1668 白崎は幸くあり待て大船に真梶しじ貫きまたかへり見む
1669 南部の浦潮な満ちそね鹿島なる釣りする海人を見て帰り来む
1670 朝開き漕ぎ出て我れは由良の崎釣りする海人を見て帰り来む
1671 由良の崎潮干にけらし白神の礒の浦廻をあへて漕ぐなり
1672 黒牛潟潮干の浦を紅の玉裳裾引き行くは誰が妻
1673 風莫の浜の白波いたづらにここに寄せ来る見る人なしに一云ここに寄せ来も
1674 我が背子が使来むかと出立のこの松原を今日か過ぎなむ
1675 藤白の御坂を越ゆと白栲の我が衣手は濡れにけるかも
1676 背の山に黄葉常敷く神岳の山の黄葉は今日か散るらむ
1677 大和には聞こえも行くか大我野の竹葉刈り敷き廬りせりとは
1678 紀の国の昔弓雄の鳴り矢もち鹿取り靡けし坂の上にぞある
1679 紀の国にやまず通はむ妻の杜妻寄しこせね妻といひながら一云妻賜はにも妻といひながら
1680 あさもよし紀へ行く君が真土山越ゆらむ今日ぞ雨な降りそね
1681 後れ居て我が恋ひ居れば白雲のたなびく山を今日か越ゆらむ
1682 とこしへに夏冬行けや裘扇放たぬ山に住む人
1683 妹が手を取りて引き攀ぢふさ手折り我がかざすべく花咲けるかも
1684 春山は散り過ぎぬとも三輪山はいまだふふめり君待ちかてに
1685 川の瀬のたぎつを見れば玉藻かも散り乱れたる川の常かも
1686 彦星のかざしの玉の妻恋ひに乱れにけらしこの川の瀬に
1687 白鳥の鷺坂山の松蔭に宿りて行かな夜も更けゆくを
1688 あぶり干す人もあれやも濡れ衣を家には遣らな旅のしるしに
1689 あり衣辺につきて漕がさね杏人の浜を過ぐれば恋しくありなり
1690 高島の阿渡川波は騒けども我れは家思ふ宿り悲しみ
1691 旅なれば夜中をさして照る月の高島山に隠らく惜しも
1692 我が恋ふる妹は逢はさず玉の浦に衣片敷き独りかも寝む
1693 玉櫛笥明けまく惜しきあたら夜を衣手離れて独りかも寝む
1694 栲領巾の鷺坂山の白つつじ我れににほはに妹に示さむ
1695 妹が門入り泉川の常滑にみ雪残れりいまだ冬かも
1696 衣手の名木の川辺を春雨に我れ立ち濡ると家思ふらむか
1697 家人の使ひにあらし春雨の避くれど我れを濡らさく思へば
1698 あぶり干す人もあれやも家人の春雨すらを間使ひにする
1699 巨椋の入江響むなり射目人の伏見が田居に雁渡るらし
1700 秋風に山吹の瀬の鳴るなへに天雲翔る雁に逢へるかも
1701 さ夜中と夜は更けぬらし雁が音の聞こゆる空ゆ月渡る見ゆ
1702 妹があたり繁き雁が音夕霧に来鳴きて過ぎぬすべなきまでに
1703 雲隠り雁鳴く時は秋山の黄葉片待つ時は過ぐれど
1704 ふさ手折り多武の山霧繁みかも細川の瀬に波の騒ける
1705 冬こもり春へを恋ひて植ゑし木の実になる時を片待つ我れぞ
1706 ぬばたまの夜霧は立ちぬ衣手の高屋の上にたなびくまでに
1707 山背の久世の鷺坂神代より春は張りつつ秋は散りけり
1708 春草を馬咋山ゆ越え来なる雁の使は宿り過ぐなり
1709 御食向ふ南淵山の巌には降りしはだれか消え残りたる
1710 我妹子が赤裳ひづちて植ゑし田を刈りて収めむ倉無の浜
1711 百伝ふ八十の島廻を漕ぎ来れど粟の小島は見れど飽かぬかも
1712 天の原雲なき宵にぬばたまの夜渡る月の入らまく惜しも
1713 滝の上の三船の山ゆ秋津辺に来鳴き渡るは誰れ呼子鳥
1714 落ちたぎち流るる水の岩に触れ淀める淀に月の影見ゆ
1715 楽浪の比良山風の海吹けば釣りする海人の袖返る見ゆ
1716 白波の浜松の木の手向けくさ幾代までにか年は経ぬらむ
1717 三川の淵瀬もおちず小網さすに衣手濡れぬ干す子はなしに
1718 率ひて漕ぎ行く舟は高島の安曇の港に泊てにけむかも
1719 照る月を雲な隠しそ島蔭に我が舟泊てむ泊り知らずも
1720 馬並めてうち群れ越え来今日見つる吉野の川をいつかへり見む
1721 苦しくも暮れゆく日かも吉野川清き川原を見れど飽かなくに
1722 吉野川川波高み滝の浦を見ずかなりなむ恋しけまくに
1723 かわづ鳴く六田の川の川柳のねもころ見れど飽かぬ川かも
1724 見まく欲り来しくもしるく吉野川音のさやけさ見るにともしく
1725 いにしへの賢しき人の遊びけむ吉野の川原見れど飽かぬかも
1726 難波潟潮干に出でて玉藻刈る海人娘子ども汝が名告らさね
1727 あさりする人とを見ませ草枕旅行く人に我が名は告らじ
1728 慰めて今夜は寝なむ明日よりは恋ひかも行かむこゆ別れなば
1729 暁の夢に見えつつ梶島の礒越す波のしきてし思ほゆ
1730 山科の石田の小野のははそ原見つつか君が山道越ゆらむ
1731 山科の石田の杜に幣置かばけだし我妹に直に逢はむかも
1732 大葉山霞たなびきさ夜更けて我が舟泊てむ泊り知らずも
1733 思ひつつ来れど来かねて三尾の崎真長の浦をまたかへり見つ
1734 高島の安曇の港を漕ぎ過ぎて塩津菅浦今か漕ぐらむ
1735 我が畳三重の川原の礒の裏にかくしもがもと鳴くかはづかも
1736 山高み白木綿花に落ちたぎつ夏身の川門見れど飽かぬかも
1737 大滝を過ぎて夏身に近づきて清き川瀬を見るがさやけさ
1738 しなが鳥安房に継ぎたる梓弓周淮の珠名は胸別けの広き我妹腰細のすがる娘子のその顔のきらきらしきに花のごと笑みて立てれば玉桙の道行く人はおのが行く道は行かずて呼ばなくに門に至りぬさし並ぶ隣の君はあらかじめ己妻離れて乞はなくに鍵さへ奉る人皆のかく惑へればたちしなひ寄りてぞ妹はたはれてありける
1739 金門にし人の来立てば夜中にも身はたな知らず出でてぞ逢ひける
1740 春の日の霞める時に住吉の岸に出で居て釣舟のとをらふ見ればいにしへのことぞ思ほゆる水江の浦島の子が鰹釣り鯛釣りほこり七日まで家にも来ずて海境を過ぎて漕ぎ行くに海神の神の娘子にたまさかにい漕ぎ向ひ相とぶらひ言成りしかばかき結び常世に至り海神の神の宮の内のへの妙なる殿にたづさはりふたり入り居て老いもせず死にもせずして長き世にありけるものを世間の愚か人の我妹子に告りて語らくしましくは家に帰りて父母に事も告らひ明日のごと我れは来なむと言ひければ妹が言へらく常世辺にまた帰り来て今のごと逢はむとならばこの櫛笥開くなゆめとそこらくに堅めし言を住吉に帰り来りて家見れど家も見かねて里見れど里も見かねてあやしみとそこに思はく家ゆ出でて三年の間に垣もなく家失せめやとこの箱を開きて見てばもとのごと家はあらむと玉櫛笥少し開くに白雲の箱より出でて常世辺にたなびきぬれば立ち走り叫び袖振りこいまろび足ずりしつつたちまちに心消失せぬ若くありし肌も皺みぬ黒くありし髪も白けぬゆなゆなは息さへ絶えて後つひに命死にける水江の浦島の子が家ところ見ゆ
1741 常世辺に住むべきものを剣大刀汝が心からおそやこの君
1742 しな照る片足羽川のさ丹塗りの大橋の上ゆ紅の赤裳裾引き山藍もち摺れる衣着てただ独りい渡らす子は若草の夫かあるらむ橿の実の独りか寝らむ問はまくの欲しき我妹が家の知らなく
1743 大橋の頭に家あらばま悲しく独り行く子に宿貸さましを
1744 埼玉の小埼の沼に鴨ぞ羽霧るおのが尾に降り置ける霜を掃ふとにあらし
1745 三栗の那賀に向へる曝井の絶えず通はむそこに妻もが
1746 遠妻し多賀にありせば知らずとも手綱の浜の尋ね来なまし
1747 白雲の龍田の山の瀧の上の小椋の嶺に咲きををる桜の花は山高み風しやまねば春雨の継ぎてし降ればほつ枝は散り過ぎにけり下枝に残れる花はしましくは散りな乱ひそ草枕旅行く君が帰り来るまで
1748 我が行きは七日は過ぎじ龍田彦ゆめこの花を風にな散らし
1749 白雲の龍田の山を夕暮れにうち越え行けば瀧の上の桜の花は咲きたるは散り過ぎにけりふふめるは咲き継ぎぬべしこちごちの花の盛りにあらずとも君がみ行きは今にしあるべし
1750 暇あらばなづさひ渡り向つ峰の桜の花も折らましものを
1751 島山をい行き廻れる川沿ひの岡辺の道ゆ昨日こそ我が越え来しか一夜のみ寝たりしからに峰の上の桜の花は瀧の瀬ゆ散らひて流る君が見むその日までには山おろしの風な吹きそとうち越えて名に負へる杜に風祭せな
1752 い行き逢ひの坂のふもとに咲きををる桜の花を見せむ子もがも
1753 衣手常陸の国の二並ぶ筑波の山を見まく欲り君来ませりと暑けくに汗かき嘆げ木の根取りうそぶき登り峰の上を君に見すれば男神も許したまひ女神もちはひたまひて時となく雲居雨降る筑波嶺をさやに照らしていふかりし国のまほらをつばらかに示したまへば嬉しみと紐の緒解きて家のごと解けてぞ遊ぶうち靡く春見ましゆは夏草の茂くはあれど今日の楽しさ
1754 今日の日にいかにかしかむ筑波嶺に昔の人の来けむその日も
1755 鴬の卵の中に霍公鳥独り生れて己が父に似ては鳴かず己が母に似ては鳴かず卯の花の咲きたる野辺ゆ飛び翔り来鳴き響もし橘の花を居散らしひねもすに鳴けど聞きよし賄はせむ遠くな行きそ我が宿の花橘に住みわたれ鳥
1756 かき霧らし雨の降る夜を霍公鳥鳴きて行くなりあはれその鳥
1757 草枕旅の憂へを慰もることもありやと筑波嶺に登りて見れば尾花散る師付の田居に雁がねも寒く来鳴きぬ新治の鳥羽の淡海も秋風に白波立ちぬ筑波嶺のよけくを見れば長き日に思ひ積み来し憂へはやみぬ
1758 筑波嶺の裾廻の田居に秋田刈る妹がり遣らむ黄葉手折らな
1759 鷲の住む筑波の山の裳羽服津のその津の上に率ひて娘子壮士の行き集ひかがふかがひに人妻に我も交らむ我が妻に人も言問へこの山をうしはく神の昔より禁めぬわざぞ今日のみはめぐしもな見そ事もとがむなの歌は、東の俗語に賀我比と曰ふ
1760 男神に雲立ち上りしぐれ降り濡れ通るとも我れ帰らめや
1761 三諸の神奈備山にたち向ふ御垣の山に秋萩の妻をまかむと朝月夜明けまく惜しみあしひきの山彦響め呼びたて鳴くも
1762 明日の宵逢はざらめやもあしひきの山彦響め呼びたて鳴くも
1763 倉橋の山を高みか夜隠りに出で来る月の片待ちかたき
1764 久方の天の川に上つ瀬に玉橋渡し下つ瀬に舟浮け据ゑ雨降りて風吹かずとも風吹きて雨降らずとも裳濡らさずやまず来ませと玉橋渡す
1765 天の川霧立ちわたる今日今日と我が待つ君し舟出すらしも
1766 我妹子は釧にあらなむ左手の我が奥の手に巻きて去なましを
1767 豊国の香春は我家紐児にいつがり居れば香春は我家
1768 石上布留の早稲田の穂には出でず心のうちに恋ふるこのころ
1769 かくのみし恋ひしわたればたまきはる命も我れは惜しけくもなし
1770 みもろの神の帯ばせる泊瀬川水脈し絶えずは我れ忘れめや
1771 後れ居て我れはや恋ひむ春霞たなびく山を君が越え去なば
1772 後れ居て我れはや恋ひむ印南野の秋萩見つつ去なむ子故に
1773 神なびの神寄せ板にする杉の思ひも過ぎず恋の繁きに
1774 たらちねの母の命の言にあらば年の緒長く頼め過ぎむや
1775 泊瀬川夕渡り来て我妹子が家の金門に近づきにけり
1776 絶等寸の山の峰の上の桜花咲かむ春へは君し偲はむ
1777 君なくはなぞ身装はむ櫛笥なる黄楊の小櫛も取らむとも思はず
1778 明日よりは我れは恋ひむな名欲山岩踏み平し君が越え去なば
1779 命をしま幸くもがも名欲山岩踏み平しまたまたも来む
1780 ことひ牛の三宅の潟にさし向ふ鹿島の崎にさ丹塗りの小舟を設け玉巻きの小楫繁貫き夕潮の満ちのとどみに御船子を率ひたてて呼びたてて御船出でなば浜も狭に後れ並み居てこいまろび恋ひかも居らむ足すりし音のみや泣かむ海上のその津を指して君が漕ぎ行かば
1781 海つ道のなぎなむ時も渡らなむかく立つ波に船出すべしや
1782 雪こそば春日消ゆらめ心さへ消え失せたれや言も通はぬ
1783 松返りしひてあれやは三栗の中上り来ぬ麻呂といふ奴
1784 海神のいづれの神を祈らばか行くさも来さも船の早けむ
1785 人となることはかたきをわくらばになれる我が身は死にも生きも君がまにまと思ひつつありし間にうつせみの世の人なれば大君の命畏み天離る鄙治めにと朝鳥の朝立ちしつつ群鳥の群立ち行かば留まり居て我れは恋ひむな見ず久ならば
1786 み越道の雪降る山を越えむ日は留まれる我れを懸けて偲はせ
1787 うつせみの世の人なれば大君の命畏み敷島の大和の国の石上布留の里に紐解かず丸寝をすれば我が着たる衣はなれぬ見るごとに恋はまされど色に出でば人知りぬべみ冬の夜の明かしもえぬを寐も寝ずに我れはぞ恋ふる妹が直香に
1788 布留山ゆ直に見わたす都にぞ寐も寝ず恋ふる遠くあらなくに
1789 我妹子が結ひてし紐を解かめやも絶えば絶ゆとも直に逢ふまでに
1790 秋萩を妻どふ鹿こそ独り子に子持てりといへ鹿子じもの我が独り子の草枕旅にし行けば竹玉を繁に貫き垂れ斎瓮に木綿取り垂でて斎ひつつ我が思ふ我子ま幸くありこそ
1791 旅人の宿りせむ野に霜降らば我が子羽ぐくめ天の鶴群
1792 白玉の人のその名をなかなかに言を下延へ逢はぬ日の数多く過ぐれば恋ふる日の重なりゆけば思ひ遣るたどきを知らに肝向ふ心砕けて玉たすき懸けぬ時なく口やまず我が恋ふる子を玉釧手に取り持ちてまそ鏡直目に見ねばしたひ山下行く水の上に出でず我が思ふ心安きそらかも
1793 垣ほなす人の横言繁みかも逢はぬ日数多く月の経ぬらむ
1794 たち変り月重なりて逢はねどもさね忘らえず面影にして
1795 妹らがり今木の嶺に茂り立つ嬬松の木は古人見けむ
1796 黄葉の過ぎにし子らと携はり遊びし礒を見れば悲しも
1797 潮気立つ荒礒にはあれど行く水の過ぎにし妹が形見とぞ来し
1798 いにしへに妹と我が見しぬばたまの黒牛潟を見れば寂しも
1799 玉津島礒の浦廻の真砂にもにほひて行かな妹も触れけむ
1800 小垣内の麻を引き干し妹なねが作り着せけむ白栲の紐をも解かず一重結ふ帯を三重結ひ苦しきに仕へ奉りて今だにも国に罷りて父母も妻をも見むと思ひつつ行きけむ君は鶏が鳴く東の国の畏きや神の御坂に和妙の衣寒らにぬばたまの髪は乱れて国問へど国をも告らず家問へど家をも言はずますらをの行きのまにまにここに臥やせる
1801 古へのますら壮士の相競ひ妻問ひしけむ葦屋の菟原娘子の奥城を我が立ち見れば長き世の語りにしつつ後人の偲ひにせむと玉桙の道の辺近く岩構へ造れる塚を天雲のそくへの極みこの道を行く人ごとに行き寄りてい立ち嘆かひある人は哭にも泣きつつ語り継ぎ偲ひ継ぎくる娘子らが奥城処我れさへに見れば悲しも古へ思へば
1802 古への信太壮士の妻問ひし菟原娘子の奥城ぞこれ
1803 語り継ぐからにもここだ恋しきを直目に見けむ古へ壮士
1804 父母が成しのまにまに箸向ふ弟の命は朝露の消やすき命神の共争ひかねて葦原の瑞穂の国に家なみかまた帰り来ぬ遠つ国黄泉の境に延ふ蔦のおのが向き向き天雲の別れし行けば闇夜なす思ひ惑はひ射ゆ鹿の心を痛み葦垣の思ひ乱れて春鳥の哭のみ泣きつつあぢさはふ夜昼知らずかぎろひの心燃えつつ嘆く別れを
1805 別れてもまたも逢ふべく思ほえば心乱れて我れ恋ひめやも一云心尽して
1806 あしひきの荒山中に送り置きて帰らふ見れば心苦しも
1807 鶏が鳴く東の国に古へにありけることと今までに絶えず言ひける勝鹿の真間の手児名が麻衣に青衿着けひたさ麻を裳には織り着て髪だにも掻きは梳らず沓をだにはかず行けども錦綾の中に包める斎ひ子も妹にしかめや望月の足れる面わに花のごと笑みて立てれば夏虫の火に入るがごと港入りに舟漕ぐごとく行きかぐれ人の言ふ時いくばくも生けらじものを何すとか身をたな知りて波の音の騒く港の奥城に妹が臥やせる遠き代にありけることを昨日しも見けむがごとも思ほゆるかも
1808 勝鹿の真間の井見れば立ち平し水汲ましけむ手児名し思ほゆ
1809 葦屋の菟原娘子の八年子の片生ひの時ゆ小放りに髪たくまでに並び居る家にも見えず虚木綿の隠りて居れば見てしかといぶせむ時の垣ほなす人の問ふ時茅渟壮士菟原壮士の伏屋焚きすすし競ひ相よばひしける時は焼太刀の手かみ押しねり白真弓靫取り負ひて水に入り火にも入らむと立ち向ひ競ひし時に我妹子が母に語らくしつたまきいやしき我が故ますらをの争ふ見れば生けりとも逢ふべくあれやししくしろ黄泉に待たむと隠り沼の下延へ置きてうち嘆き妹が去ぬれば茅渟壮士その夜夢に見とり続き追ひ行きければ後れたる菟原壮士い天仰ぎ叫びおらび地を踏みきかみたけびてもころ男に負けてはあらじと懸け佩きの小太刀取り佩きところづら尋め行きければ親族どちい行き集ひ長き代に標にせむと遠き代に語り継がむと娘子墓中に造り置き壮士墓このもかのもに造り置ける故縁聞きて知らねども新喪のごとも哭泣きつるかも
1810 芦屋の菟原娘子の奥城を行き来と見れば哭のみし泣かゆ
1811 墓の上の木の枝靡けり聞きしごと茅渟壮士にし寄りにけらしも
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万葉集1810番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

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万葉集1811番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

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万葉集1807番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

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万葉集1792番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

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万葉集1808番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

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万葉集1798番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

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万葉集1799番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1799番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1799番について歌番号1799番原文津嶋|礒之裏之|真名仁文|尓保比去名|妹觸險訓読玉津島礒の浦廻の真砂にもにほひて行かな妹も触れけむ かな読みたまつしま|...
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万葉集1800番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1800番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1800番について歌番号1800番原文小垣内之|麻矣引干|妹名根之|作服異六|白細乃|紐緒毛不解|一重結|帶矣三重結|伎尓|仕奉而|今谷裳|國尓退而|父妣毛|...
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万葉集1801番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1801番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1801番について歌番号1801番原文古之|益荒丁子|各競|妻問為祁牟|葦屋乃|菟名日處女乃|奥城矣|吾立見者|永世乃|語尓為乍|後人|偲尓世武等|玉桙乃|道...
万葉集|第9巻の和歌一覧

万葉集1802番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1802番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1802番について歌番号1802番原文古乃|小竹田丁子乃|妻問石|菟會處女乃|奥城叙此訓読古への信太壮士の妻問ひし菟原娘子の奥城ぞこれ かな読みいにしへの|し...
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万葉集1803番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1803番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1803番について歌番号1803番原文語継|可良仁文幾許|戀布矣|直目尓見兼|古丁子訓読語り継ぐからにもここだ恋しきを直目に見けむ古へ壮士 かな読みかたりつぐ...
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万葉集1804番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1804番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1804番について歌番号1804番原文父母賀|成乃任尓|箸向|弟乃命者|朝露乃|銷易杵壽|神之共|荒競不勝而|葦原乃|水穂之國尓|家無哉|又還不来|遠津國|黄...
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万葉集1805番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1805番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1805番について歌番号1805番原文別而裳|復毛可遭|所念者|心乱|吾戀目八方|訓読別れてもまたも逢ふべく思ほえば心乱れて我れ恋ひめやも| かな読みわかれて...
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万葉集1806番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1806番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1806番について歌番号1806番原文蘆桧木笶|荒山中尓|送置而|還良布見者|情苦喪訓読あしひきの荒山中に送り置きて帰らふ見れば心苦しも かな読みあしひきの|...
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万葉集1791番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1791番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1791番について歌番号1791番原文客人之|宿将為野尓|霜降者|吾子羽褁|天乃鶴群訓読旅人の宿りせむ野に霜降らば我が子羽ぐくめ天の鶴群 かな読みたびひとの|...
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万葉集1779番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1779番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1779番について歌番号1779番原文命乎志|麻勢久可願|名欲山|石踐平之|復亦毛来武訓読命をしま幸くもがも名欲山岩踏み平しまたまたも来む かな読みいのちをし...
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万葉集1780番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1780番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1780番について歌番号1780番原文牛乃|三宅之尓|指向|鹿嶋之埼尓|狭丹塗之|小船儲|玉纒之|小梶繁貫|夕塩之|満乃登等美尓|三船子呼|阿騰母比立而|喚立...
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万葉集1781番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1781番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1781番について歌番号1781番原文海津路乃|名木名六時毛|渡七六|加九多都波二|船出可為八訓読海つ道のなぎなむ時も渡らなむかく立つ波に船出すべしや かな読...
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万葉集1782番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1782番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1782番について歌番号1782番原文雪己曽波|春日消良米|心佐閇|消失多列夜|言母不徃来訓読雪こそば春日消ゆらめ心さへ消え失せたれや言も通はぬ かな読みゆき...
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万葉集1783番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1783番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1783番について歌番号1783番原文松反|四臂而有八羽|三栗|中上不来|麻呂等言八子訓読松返りしひてあれやは三栗の中上り来ぬ麻呂といふ奴 かな読みまつがへり...
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万葉集1784番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1784番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1784番について歌番号1784番原文海若之|何神乎|齋祈者歟|徃方毛来方毛|之早兼訓読海神のいづれの神を祈らばか行くさも来さも船の早けむ かな読みわたつみの...
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万葉集1785番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1785番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1785番について歌番号1785番原文人跡成|事者難乎|和久良婆尓|成吾身者|死毛生毛|之随意常|念乍|有之間尓|虚蝉乃|代人有者|大王之|御命恐美|天離|夷...
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万葉集1786番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1786番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1786番について歌番号1786番原文三越道之|雪零山乎|将越日者|留有吾乎|懸而小竹葉背訓読み越道の雪降る山を越えむ日は留まれる我れを懸けて偲はせ かな読み...
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万葉集1787番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1787番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1787番について歌番号1787番原文虚蝉乃|世人有者|大王之|御命恐弥|礒城嶋能|日本國乃|石上|振里尓|紐不解|丸寐乎為者|吾衣有|服者奈礼奴|毎見|戀者...
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万葉集1788番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1788番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1788番について歌番号1788番原文振山従|直見渡|京二曽|寐不宿戀流|遠不有尓訓読布留山ゆ直に見わたす都にぞ寐も寝ず恋ふる遠くあらなくに かな読みふるやま...
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万葉集1789番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1789番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1789番について歌番号1789番原文吾妹兒之|結手師紐乎|将解八方|絶者絶十方|直二相左右二訓読我妹子が結ひてし紐を解かめやも絶えば絶ゆとも直に逢ふまでに ...
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万葉集1790番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1790番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1790番について歌番号1790番原文秋芽子乎|妻問鹿許曽|一子二|子持有跡五十戸|鹿兒自物|吾獨子之|草枕|客二師徃者|竹珠乎|密貫垂|齋戸尓|木綿取四手而...
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万葉集1775番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1775番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1775番について歌番号1775番原文泊瀬河|夕渡来而|我妹兒何|家門|近舂二家里訓読泊瀬川夕渡り来て我妹子が家の金門に近づきにけり かな読みはつせがは|ゆふ...
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万葉集1776番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1776番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1776番について歌番号1776番原文絶等寸笶|山之上乃|櫻花|将開春部者|君将思訓読絶等寸の山の峰の上の桜花咲かむ春へは君し偲はむ かな読みたゆらきの|やま...
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万葉集1777番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1777番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1777番について歌番号1777番原文君無者|奈何身将装餝|匣有|黄楊之小梳毛|将取跡毛不念訓読君なくはなぞ身装はむ櫛笥なる黄楊の小櫛も取らむとも思はず かな...
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万葉集1778番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1778番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1778番について歌番号1778番原文従明日者|吾波孤悲牟奈|名欲踏平之|君我越去者訓読明日よりは我れは恋ひむな名欲山岩踏み平し君が越え去なば かな読みあすよ...
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万葉集1764番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1764番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1764番について歌番号1764番原文久堅乃|天漢尓|上瀬尓|珠橋渡之|下湍尓|船浮居|雨零而|風不吹登毛|風吹而|雨不落等物|裳不令濕|不息来益常|橋渡須訓...
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万葉集1765番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1765番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1765番について歌番号1765番原文天漢|霧立渡|且今日|吾待君之|船出為等霜訓読天の川霧立ちわたる今日今日と我が待つ君し舟出すらしも かな読みあまのがは|...
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万葉集1766番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1766番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1766番について歌番号1766番原文吾妹兒者|久志呂尓有奈武|左手乃|吾奥手|纒而去麻師乎訓読我妹子は釧にあらなむ左手の我が奥の手に巻きて去なましを かな読...
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万葉集1767番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1767番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1767番について歌番号1767番原文豊國乃|加波流波吾宅|紐兒尓|伊都我里座者|革流波吾家訓読豊国の香春は我家紐児にいつがり居れば香春は我家 かな読みとよく...
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万葉集1768番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1768番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1768番について歌番号1768番原文石上|振乃早田乃|穂尓波不出|心中尓|戀流日訓読石上布留の早稲田の穂には出でず心のうちに恋ふるこのころ かな読みいそのか...
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万葉集1769番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1769番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1769番について歌番号1769番原文如是耳志|戀思度者|霊剋|命毛吾波|惜雲奈師訓読かくのみし恋ひしわたればたまきはる命も我れは惜しけくもなし かな読みかく...
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万葉集1770番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1770番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1770番について歌番号1770番原文三諸乃|能於婆勢流|泊瀬河|水尾之不断者|吾忘礼米也訓読みもろの神の帯ばせる泊瀬川水脈し絶えずは我れ忘れめや かな読みみ...
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万葉集1771番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1771番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1771番について歌番号1771番原文於久礼居而|吾波也将戀|春霞|多奈妣久山乎|君之越去者訓読後れ居て我れはや恋ひむ春霞たなびく山を君が越え去なば かな読み...
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万葉集1772番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1772番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1772番について歌番号1772番原文於久礼居而|吾者哉将戀|稲見野乃|秋芽子見都津|去奈武子故尓訓読後れ居て我れはや恋ひむ印南野の秋萩見つつ去なむ子故に か...
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万葉集1773番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1773番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1773番について歌番号1773番原文神南備|神依尓|為杉乃|念母不過|戀之茂尓訓読神なびの神寄せ板にする杉の思ひも過ぎず恋の繁きに かな読みかむなびの|かみ...
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万葉集1774番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1774番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1774番について歌番号1774番原文垂乳根乃|母之命乃|言尓有者|年緒長|憑過武也訓読たらちねの母の命の言にあらば年の緒長く頼め過ぎむや かな読みたらちねの...
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万葉集1743番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1743番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1743番について歌番号1743番原文大橋之|頭尓家有者|心悲久|獨去兒尓|屋戸借申尾訓読大橋の頭に家あらばま悲しく独り行く子に宿貸さましを かな読みおほはし...
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万葉集1759番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集1759番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。万葉集1759番について歌番号1759番原文鷲住|筑波乃山之|裳羽服津乃|其津乃上尓|率而|未通女士之|徃集|加賀布嬥歌尓|他妻尓|吾毛交牟|吾妻尓|他毛言問|此山...