万葉集番の作者・分類|訓読・読み|意味・訳|原文

万葉集番の作者・分類、訓読・読み、意味・訳、原文についてまとめます。

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万葉集番について

歌番号

無記2番

原文

竊以|釋慈之示教|[謂釋氏慈氏]|先開三歸|[謂歸依佛法僧]|五戒而化法界|[謂一不g生二不偸盗三不邪婬四不妄語五不飲酒]|周孔之垂訓前張三綱|[謂君臣父子夫婦]|五教以濟邦國|[謂父義母慈兄友弟順子孝]故知|引導雖二|得悟惟一也|但以世無恒質|所以陵谷更變|人無定期所以壽夭不同|撃目之間百齡已盡|申臂之頃|千代亦空|旦作席上之主夕為泉下之客白馬走来|黄泉何及|隴上青松空懸信劔|野中白楊但吹悲風是知|世俗本無隠遁之室|原野唯有長夜之臺|先聖已去|後賢不留|如有贖而可免者|古人誰無價金乎|未聞獨存遂見世終者|所以維摩大士疾玉體于方丈|釋迦能仁掩金容于雙樹|内教曰|不欲黒闇之後<来>|莫入徳天之先至|[徳天者生也|黒闇者死也]|故知生必有死|々若不欲不<如>不生|况乎縦覺始終之恒數|何慮存亡之大期者也|俗道變化猶撃目|人事經紀如申臂|空与浮雲行大虚|心力共盡無所寄

訓読

竊かに以(おもひみる)に、釋慈の示教|[釋氏、慈氏を謂ふ]|先に三歸|[佛法僧に歸依するを謂ふ]|五戒を開きて法界を化し、[一に不g生(ふせっしょう)、二に不偸盗、三に不邪婬、四に不妄語、五に不飲酒なるを謂ふ]|周孔の垂訓は前に三綱|[君臣父子夫婦を謂ふ]|五教を張りて以て邦國を濟(ととの)ふ。[父は義。母は慈。兄は友。弟は順。子は孝なるを謂ふ]故に知る。引導二つなりと雖も、悟を得るは惟れ一つ也。但(ただ)以世恒質なく、所以に陵谷更に變じ、人に定期なく、所以に壽夭同じからず。撃目の間、百齡已に盡き、申臂の頃、千代も亦た空し。旦には席上の主と作れども、夕には泉下の客と為る。白馬走り来るとも、黄泉何ぞ及(し)かむ。隴上の青松は空しく信劔を懸け、野中の白楊は但だ悲風に吹かる。是に知る、世俗本より隠遁の室なく、原野には唯だ長夜の臺のみありといふことを。先聖已に去り、後賢留まらず。如し贖(あがな)ひて免がる可きこと有らば、古人誰か價(あたひ)の金(くがね)無からむや。未だ獨り存(あ)りて遂に世の終を見る者を聞かず。所以に維摩大士は玉體を方丈に疾(や)み、釋迦能仁は金容を雙樹に掩(おほ)へり。内教に曰く、黒闇の後に来たるを欲せずは、徳天の先に至るを入るること莫かれ。[徳天は生なり。黒闇は死なり]|故に知る生まるれば必らず死有り。々若し欲せずんば、生まれざるに如かず。况んや縦(たとひ)始終の恒數を覺(さと)るも、何ぞ存亡の大期を慮(おもんば)からむ。|俗道の變化は猶ほ撃目のごとし。人事の經紀は申臂の如し。空しく浮雲と大虚を行き、心力共に盡きて寄る所無し。

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かな読み

なし

カタカナ読み

ナシ

ローマ字読み|大文字

NASHI

ローマ字読み|小文字

nashi

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左注|左註

特に無し

事項|分類・ジャンル

仏教|嘆翮|無常

校異

酒【紀】【細】(塙)酒也|于【紀】【細】乎|->来【西(右書)】【紀】【細】【温】|知->如【西(頭書)】【温】|歌【西】謌【西(訂正)】歌

寛永版本

巻数

第なし巻

作者

山上憶良